3次元のデータを元に立体物を複製することができる3Dプリンターを
活用して、患者本人の皮膚などから動脈を作製する技術を、佐賀大学と
東京のバイオベンチャー企業が共同で開発したことが分かった。

3Dプリンターでの血管作製技術の確立は国内初となる。

開発を行ったのは、佐賀大大学院工学系研究科の中山功一教授と
2010年設立の再生医療バイオベンチャー企業「サイフューズ」

基本特許は各国に出願済みとのことで、すでに日本、米国、中国、
シンガポールで権利を取得した模様。

作製した動脈は、人工透析や心臓の冠動脈バイパス手術の移植などに
使用する予定で、佐賀大医学部が動物への移植実験を進めている。

患者本人の細胞から作製されることで、プラスチック等の異物で
作られたものと違い、自己免疫が働きやすく、身体の拒絶反応も
回避できる側面もあり、人工透析や手術などでの活躍が見込まれる。

今後、臨床試験などを経て、2018年の実用化を目指していく。

これまでも3Dプリンターでの医療分野への活用は行われており、
臓器などの標本を作製したり、歯科技工などでも利用も行われていた。

また美容整形でも3Dスキャナで患者の体型をスキャンし、整形後の
変化を患者と共にシュミレーションしながら、豊胸手術などの活用
されている例もある。

色いろな分野での活用に、期待が高まっている3Dプリンター。
 
アメリカ オバマ大統領は、昨年一般教書演説で、3Dプリンターに
言及し、プロジェクトを立ち上げて、新しい産業の基盤を築くことを
力説しました。
また日本では安倍政権の成長戦略の有望分野とて、今後強化する方針を
掲げていて、14年度予算案にも3Dプリンターの開発支援事業に40億円を
計上しています。